開発現場の妖怪
- 2020.06.27
- エンジニアという仕事

電子機器の製品開発という仕事をしていると、時折妖怪に襲われることがあります。
子供じゃないんだから、仕事中に何言ってるんだ! と思うかも知れませんが、エンジニアであれば誰もが経験していると思います。現場あるあるかも知れません。
初心者のエンジニアはこの妖怪の餌食にならないよう、気を付けてください。どの妖怪も若い人が好きなので、気を緩めるとすぐに襲われます。
妖怪「螺子隠し」
ねじを隠す妖怪です。漢字で「螺子隠し」と書いた方が雰囲気出ますね。
現場で製品を組み立てる、バラす。などでネジを扱うことがあります。外したネジを机の上に置いておくと、いつの間にか減っているんです。この妖怪は小さなネジを好むらしく、小さければ小さいほど無くなります。
妖怪螺子隠しは「皿」が大嫌いです。なので、外したネジは必ず皿に入れます。そうすれば、不思議とネジは減りません。
「皿」は専用の物も売っているのですが、M4までのネジを扱うのであれば、プリンやゼリーの容器が便利です。プラスチックで扱っている製品を傷つけることもありません。私のお気に入りは(少し小さいですが)コンビニで売っている明治のスーパーカップアイスです。6個入っているので、同じ皿を集めて重ねられるので便利です。
大きなネジの時には、100均のタッパーを使っています。
妖怪螺子隠しは開発現場以外に、客先でもガレージでもどこにでも出没するやっかいな奴です。十分に注意しましょう。
たかがネジ1本が無くなった。と思わないようにしてください。無くなったという事は、そのネジはどこかにあるのです。ゴミ箱の中であれば、問題はないでしょう。でも、この妖怪は無くしたネジをわざわざ後から困る場所に置いておきます。
例えば、製品の中とか、電源基板の上とか。お客様に収めた製品にネジがカラカラ入っていたら? 電源基板の上に金属のネジが落ちていたら? 最悪は事故につながります。無くしたネジは必ず見つけなくてはなりません。ネジを探すというのは非常に大変な作業です。であれば、外したネジは必ず皿や箱に入れる習慣を付けましょう。
妖怪「めんどくさい」
こいつはかなり厄介です。妖怪「めんどくさい」は人に取り付きます。しかも、その時には全く妖怪の素振りがありません。人を楽な方に誘導するのです。それだけなら、付き合ってやってもよいのですが、この妖怪の呪いは後から効いてくるのです。
先輩から指示された仕事が「めんどくさい」とか、設計していて計算が「めんどくさい」、検査していて「めんどくさい」とき。前にも同じ事やってるんだから、確認しなくても大丈夫。という方向に仕向けます。
その時には別段何もなかったかのように、仕事は進むことが多いのです。でも、半年後に製品の不具合が出た。とか、先輩から「なんでやらなかった!」と怒られる時、思い返せば、妖怪「めんどくさい」に取り付かれていた事を思い知ります。
人間は敏感にできているようで、妖怪「めんどくさい」に取り付かれる瞬間、自分で「あ~めんどくさい」と言っています。あらゆる場面でこの瞬間は必ずあります。
そんな時、それを言わせているのは妖怪です。自分ではありませんので、席を立ってストレッチする。コーヒーを飲む。散歩する。など、気分を変えるのです。そうすれば、妖怪はすぐに消え去ります。
物を作る仕事に限らず、「めんどくさい」は失敗の入り口です。作業のチェックシートを適当にチェックしたり、書類を読まずに作業してしまったり。「めんどくさい」は失敗へ向かわせます。
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